しばらく風邪ぎみだったのをなんとか薬で治したな、と安心しかけていた頃、「せんせー!質問があり、ま、ま、ハックショーン!!!」ともろクシャミを全身に浴びてしまった。その後も、風邪の症状丸出しの生徒を数人発見。近寄りたくない…でも質問されてるのに無視するわけにもいかない…。案の定昨日は起きるなり「またかかったな!」と実感。一日中寝たり起きたりして休養していた。が、夜には仕事が待っている。食欲はなく、吐き気がする…これが会社勤めなら絶対に電話をかけて休むほどの病状なのだが、私の場合病欠すると収入がなくなってしまう。家を出る寸前まで横になって、なんとか出勤。
しかしおかしなもので仕事に行くと急に何も感じなくなる。別にそれくらい仕事が好きっ!というわけではなく、単にこれは「休めない。やるっきゃない。」という気合いなのだろう。代わってくれる人がいないショービジネスなのだ。同僚でも「教えている間は気持ちが高揚してるから、家に帰っても数時間は眠れないのよ」と言っている人がいた。教師はいやでも教室の中心的存在になるし、観客(生徒)の興味を引き、楽しんでもらうようにしなくちゃいけないのもショービジネスと似ている。私は普通のオフィスで働いている時は、隅っこに座って黙々と働くタイプなのだが、教えている時の自分は饒舌になり、冗談をとばしたりして、ちょっと違う人間だな、と思う。どちらが本当の自分なのかはいまだによくわからない。
今朝はなんだか熱が出ている。ちょっと寝て来ます…。
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夜のクラスを教えに行くと、上司はもう帰宅していることが多い。なのでここ数週間顔を合わせていない。連絡しなくてはいけない時はメモやメールでまあなんとかなっている。夜間クラスに必要最低限の、先生と生徒だけがいる閑散とした校舎…コンピューターやコピー機が壊れてしまっても誰も聞く人はいない。「すみません、壊しました」と書き置きして(!)、使うのは諦めるしかない。図書館もクラス終了より先に閉まってしまうので学生を連れて行って何かすることはできない。結局学生以外は誰にも会わずそのまま帰ってくる日が多い。同僚とぐちをこぼすこともなく(だからブログで愚痴ばかりになる)、今この学校で何が起きているかといった情報を耳にする機会もない。夜教えていて何かいいことがあるか??駐車スペースがいくらでもあることくらいだろう!!
こんなことも手伝って、私は自分の学校の上層部の人間の顔も名前も知らない。(たまに自分の出勤時に退社する彼らとすれ違うくらい。)しかし、「私の」クラスをキャンセルする権利のあるのは「私の顔も知らない、話したこともない」彼ら。先日、どうしても人数の足りないクラスがあり、仕方なく学生に署名運動をさせた。っと言うと大袈裟だが、「これこれこういうわけで、是非日本語を続けたい」と理由を書かせたのだ。その後クラスで並んで写真を撮った。私は直属の上司にこの署名と写真を渡し、クラスを続行するかどうかのミーティングの際、是非見せてくれ、と嘆願した。しかし翌週、クラスはあっさりとキャンセルされてしまった。私の上司によると「署名など見せる間もなく最初っからもう決まっていた」そうなのだ。この上司はいい人なので私は彼の言葉を信じる。が、マネージメントの態度には腹が立って仕方がない。
結局彼らは「教育」とは関係のない人間であり、だからこそ今の仕事を与えられているのだろう。数だけ見てビジネスに有利な判断を下せる能力を備えていることがこのポジションに就く条件なのに違いない。だから学生のいる状況など知りたくもないし、写真で「数」が「人」に変わってしまうのも見たくなかったのだろう。
署名運動の内容を読んでみよう。
「日本で働きたいと思っています。日本語の勉強は楽しいです。」
「来年日本で英語を教えるつもりです。」
「13歳の息子が日本語を勉強しています。私も日本語を勉強することで、お互いを助け合ったり一緒に練習したりすることができます。」
「日本語は役立つ言葉です。脳を活発にしてくれるし、面白いです。来年の一月に日本に旅行するつもりです。」…
このように一人一人の人生に、日本語学習がなんらかの形でかかわっている。が、私の何倍もの給料を貰って、デザイナースーツで闊歩しているエクゼクティブには、取るに足らないことなのだろう。
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更新しないままひと月近く経ってしまった。(常連読者の皆さん、すみません。)いつも学期の最後のほうは来学期も仕事があるか、という心配が始まり、なんだか鬱状態に陥ってしまうのだ。鬱といっても雇用者に対しての不満と怒りが一気に噴き出すタチの悪いウツ…(苦笑)。それとなんだか毎年どんどん低下していっているように思える学習者のレベルにも落ち込む。なんであれだけ試験のヒント(というか問題そのもの!)を与えているのにこんなにひどい結果になるのか。同僚に聞くと「それはやっぱり皆仕事の時間が増えて勉強時間がとれないからじゃない?」と言う。確かに豪州では一般に抱かれる「怠け者」イメージとは裏腹に週50時間以上働いている人がかなりいるという調査結果がある。しかし、それにしても…(ため息)。
回りには日本語教師をやめた人がけっこう多い。今は普通のオフィスワークをしたり、自営業を始めたりしてもっと安定した生活をしているようだ。今は会社勤めの友人が言うには、教師時代と比べると疲労度が随分軽いそうだ。とにかく帰宅したら仕事のことは忘れてリラックスできる。そう語る友人の表情は満足そうだ。又、雇用者側の体制に疑問を持ってやめた人もいる。授業時間以外に家で何時間も準備や採点をしているのに、それが全く無給なのが納得できなかったからだという。(私だって決して納得してやっているわけではないが…。)結局この人達は賢い人達なのだろう。経済的にも安定し、ある程度の確信を持ってこれからの人生計画を立てていけることだろう。そう言えばずっと昔の上司が「これから語学教師になりたいって人がいたらやめろ!!ってアドバイスするね!」と言っていた。当時の私には理解できなかった言葉だが今は頷ける。
でも私は教えること自体は決して嫌いではない。色々な人との出会いや、生徒が上達していく姿を見るのはやはりおカネには代えられない喜びなのだ。もし誰かが、今後十年、一定の時間数と給料を保証してくれるならば、喜んでこのまま仕事を続ける。そして毎年改善を重ねるよう努力するだろう。しかし数週間の仕事さえ約束のない今の状態では、来学期の教案を書くことさえ無駄になりそうな気がしてしまう。いつまでこの悩みを抱え続けなければならないのだろう。解決策が見つからないまま時が過ぎていく…。
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