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平(たいら)和(かず)

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面接

約四年ぶりに面接に行ってきた。が、自分にとっては特に重要なものではなかった。たまたま今働いている学校の分校が求人広告を出していたので「一応」応募してみただけだった。しかもこれは今、空きがあるのではなく、人材リストを作ることが目的の、豪州の教育界ではよくあるスタイルの求人。普通この手の広告だと、履歴書を送るだけ、ということが多いので、今回は面接の知らせが来たことに驚いたくらいだ。面接会場は我が家からかなり離れており、余裕を持って家を出るには朝5時起床となる。正直「わー、めんどくさ!」と思った(苦笑)。その上、今までの資格(卒業証書類)をコピーし、本物であることの証明として誰かからサインを貰ってこい、などと言う。卒業証書なんてもう額に入れて壁にかけてあるのに…それを外してコピーをしなくてはいけなかった。それだけで随分手間がかかった。この上さらに誰かにサインを貰う?いい加減馬鹿らしくなったので、担当者に連絡し、「私はもうこの学校で働いている人間であり、資格もちゃんと見せた上で雇われている。本当にサインまで貰わなくてはいけないのか」と問い合わせたところ、「じゃあ、持って来るだけでいい」という返事。つっこむとすぐに折れるとこもけっこうオーストラリアンスタイル(笑)。さて面接の通知メールには面接官が三人であることと、それぞれの名前と肩書きも書いてあった。その中に、日本語がわかる人はいなさそうだ。つまり「コレコレはどう教えますか。」「テキストは何を使っていますか。」といった質問はないということ。さらに気分がだれた。結局私はほとんど準備をせずに会場に向かった。

開始十分ほど前に担当者の部屋に行くと、「あ?今ちょうど十分前ですね。じゃ、面接で聞かれる質問を読んでもいいです。」と紙を渡された。ふーん。もし面接時間ぴったりに来た場合はどうするんだろう?十分前に来い、という指示は全くなかったのに…。質問を読んでみた。第一問「あなたの資格、経験を簡潔に話して下さい。」「簡潔に」が強調されている。きっと誇らしげに延々と話す人が多いので時間が足りなくなって困るのだろう。第二問は、コースをデザインしたり、クラス運営する上で何に気をつけるか。その他三問ほどあったが、殆どが職場での安全、個人情報の扱い、身障者への対処、などに関連していて、言語教育とは全く関係がなかった。これでは例え面接の準備をしていても、ヤマがはずれたと思う。私は適当に今まであった経験談をしてごまかした(笑)。が、二度ほど「他には?」ともっと何か言え、という風に促された。確かに私は押しが足りないのだろう。オーストラリアンならこんな時、面接官がストップをかけるほど話し続けるのだろう。しかしそこまで演技するほど、この(あるかどうかもわからない)仕事が欲しいと思っていないのだから仕方がない。ムダなエネルギーを消耗したくないのだ(笑)。最後の質問時間もそこそこに、私は会場を去った。まあ、いい練習だった、とは思った。今度もっと大事な面接の時にはちゃんと喋るようにしよう。

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言葉の魔法 パート3

拉致問題で北朝鮮との交渉が行き詰まっているようだ。北朝鮮代表と日本代表、密室で一体どんな会話が交わされているのだろう。「拉致した」「いや、してない」「対話が必要だ」「いや、必要ではない」「未解決だ」「いや、もう解決している」。こんな風にぐるぐると空回りしてしまうのは、政治家でなくともよく陥る状況だ。「◯◯ちゃんがボクのこと叩いた」「叩いてないよ!」とか、「なによ、他の女の子とばかりいちゃいちゃして、バカ!」「やきもちやくなよ、ブス!」とか(笑)「ああ言えばこう言う」で全く解決に向かって進まない類のやりとりだ。もし問題解決が目的ならばこのサイクルをなんとか破らなくてはならない。その為には相手と自分が目指すゴールを明確にし、その共通点を見つけ出す必要がある。それは「今のこの状況はお互い望ましくないですよね。だからなんとか変えていかなくてはいけませんよね。」といったことだけでもいい。いつまでも空回りしているのは誰にも利益がないばかりか損失でもある。「私はこういう風にしたいと思うんですけど、あなたはいかがですか。」意見や反論が出たら「私は今あなたがおっしゃったことを◯◯という風に解釈したんですが、それは正しいでしょうか。」…こんな風に確認をとりつつ会話に方向性を持たせていく。問題解決学で重視されることだが、政治家の先生方はご存知であろうか。ちょっと不安になってしまう。

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言葉の魔法 パート2

前回のエントリーで戻って来た落第生たちについて書いたが、実はもう一つの学校でも、去年さんざん文句を言った挙句やめた女子学生(19歳のアジア人)が戻って来た。彼女は去年第一週めから「難しい」「速すぎる」「もう宿題は出さないでくれ」といった苦情を繰り返し、三、四週間でドロップアウトした。その後、親戚を訪ねて日本に一ヶ月ほど行って来たらしく、今年再チャレンジをする気になったらしい。

が、今も質問だらけなのは変わっておらず、それもかなり低レベルな質問を何度も何度も繰り返すので正直言って嫌気がさす。「こんなに同じことを聞いてクラスメートに迷惑だろうか」とか「私の質問だけで時間を無駄にするのは申し訳ないから後で個人的に聞きにいこう」といった気配りは…ゼロ!!しかし今年で参加二回目だから去年のようなパニックは見せていない。結局今のところ彼女はクラスに満足しているのだ。が、先日、授業の後で後片付けをしている私に近づきこう言ってきた。

"YOU were going too fast last year. YOU didn't give us a chance to ask. YOU gave us too much homework" ... 彼女としてはあくまでも文句を言っているつもりではなく、「でも今年は去年よりゆっくり教えてくれているので嬉しい」というのが締めくくりだったのだ。しかし私は内心責められている気がしてムッとした。こう叫びたかった。「私」は去年よりスピードを落としたりなどしていない!ゆっくりだと感じるのは単にアナタが去年と同じ内容を教わっているゆえの余裕だろう!「私」は去年も学生に質問するチャンスを与えたはずだ!今までそれをしなかったことはない!「私」は去年も今年も同じ量の宿題を与えている!去年だけ多かったことはない!

「問題解決学」で習った話し方では"You"で文を始めるのはタブーなのだ。「あなたは…」と言われると「私は…じゃない!」という反論を誘うからだ。それではどう話すべきかと言うと主語を"I"にする。"I think" "I feel" という風に始めると何を言っても「あなたがそう思うのは私の関したことではない」というクッションができる。例えばこの生徒が「私は去年は先生の教え方が速過ぎるように感じたんですが…。」と言ったなら私も「あらそう?あなたはそう感じた?私はそう思わないけど、あなたがそう感じたならしょうがないわね。」となる。それほど感情的な反論を起こさせないのだ。「私」について決めつけられた気がしない。

日本語ではもともとIも Youも隠れているから余計考えなくてはいけないかもしれない。英語はその点主語抜きで話せないから簡単?いえいえ、知っていてもなかなかできないものなのですよ、これが…。喧嘩になりそうな時、お試しあれ。

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