ようこそ!

- Information -

著書「日本語教師の卵に贈る 海外での日本語の教え方 裏ワザ集」(電子本-でじたる書房で発売中!
これから海外で教える方必読!E-bookなのでダウンロードしてすぐに読めます!


-- E N D --
.
.

プロフィール

平(たいら)和(かず)

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー






 





言葉の魔法

大学で問題解決学というのをやっていた時に効果的な話法というのを習ったのだが、それは相手の言っていることを鏡のようにそのまま返すというもの。これを実は先日日本のニュースで「子供とのコミュニケーション法」としてやっているのを見た。大体こんな感じだったと思う。

その1 

子供「ボク、やっぱりなんだか合宿行きたくないな…」
母親「え〜っ!何言ってんのよ、今頃〜。もうお金払っちゃったじゃない?」
子供「…」

その2 

子供「ボク、やっぱりなんだか合宿行きたくないな…」
母親「そう…合宿行きたくないんだ?」
子供「うん…」

ニュースで紹介されたのは大人同士がロールプレイをして練習している場面だったが、後で子供の役をした男性に感想を聞くと、「最初の会話ではなんかもうそれ以上何も言えない感じ。でも二番目の会話では、ちょっと話してもいいかな、って思えました。」

これを見ていて大学で習ったことを思い出し、なんだか習っただけであまり実践に至っていないことを反省した。先日の苦情事件からも、やはりもっと生徒の感情を正確に把握しなくてはいけないと思っていたところだった。

その後もう一つ興味深いドキュメンタリー番組があった。イギリスに住んでいるインド人のティーンエイジャー(16歳)。この男の子がまあ、タバコを吸ったり夜中まで帰って来なかったりしてグレかけていて、母親の手におえなくなってきている。お父さんはいないようで、母親の再婚(?)相手がいるが、彼は見て見ぬ振り。お兄さんは医学部に合格したくらい優秀でそのコンプレックスもあるらしい。そこで登場するのが男女各一名のカウンセラー。この手の問題の専門家らしい。彼らの家を訪問し、あの手この手をつくし、家族関係向上の手助けをする。ティーンエイジャーは勿論態度が悪いが、お母さんもかなり口うるさく、彼が話そうとしていてもそれを遮ってしまうタイプ。カウンセラーはこんな時「どうやったらカッカしないで落ち着いて聞くことが出来るか」ティーンエイジャーにリラックスする為の呼吸法を教えたり、またはハイテクにイヤホンマイクを使って(親との)会話中に「イライラするよな。わかる、わかる。でもちょっと我慢しろ。」と囁いたりする。

そんな努力も空しく、状況はなかなか好転しない。そこでカウンセラーは「今日は問題解決は忘れて、お母さんと一緒に何か楽しめることをしてみよう」と誘い出す。行き先はなんと、(豪州でもショッピングセンターなどでたまに見かけるが)真っ白の人形(動物などの形をしている)に色を塗る、子供の遊び場所。が、ティーンエイジャーに恥をかかせぬためか、他の客は入れないようにしたようだ。ここで母子は並んで好きな人形に筆で色を塗っていく。しばらくそれをしていると驚いたことに息子は母に好きな女の子のことを話し出す。母はそれを聞き嬉しそうな顔。今日は母親の耳にカウンセラーと通じるマイクがついている。二人の会話が親密になってきた頃女のカウンセラーが囁く。"Tell him you love him!!" (息子さんに愛しているって言って下さい!)これを聞き、母親がなにげなく言う。"You know I love you?" 息子は恥ずかしそうに頷く。

この後親子の仲はずっとよくなる。それはあの"I love you"がもたらした結果のように思える。ティーンエイジャーは自分が愛されているということを確認したかったのだ。そこでちょっと考えてしまうのは、日本の親子ならこんな時どうするのだろう。子供に「あなたのこと、愛してるわよ」なんて言えないではないか。せいぜい「〜ちゃんのこと大好きよ」くらいだろうか? 日本人はもともと感情を言葉にしない人種…どうやったらもっと愛を伝えられるのだろう。

著書日本語教師の卵に贈る 海外での日本語の教え方 裏ワザ集 オーストラリア発信!でじたる書房にて発売中!



ブログ人気ランキング参加中
オーストラリア関連ブログを見てみる
人気blogランキングへ

コメント

この方法はカウンセリングでも使う方法ですね。自分の問題を自分自身に見つけさせる為に、「もっと語らせる」ために使うと、私も習いました。しかし、現実にはカウンセラーのように第三者ならいいのですが、その悩みの中に当事者として自分が出てくるときには、なかなかこうは行きません。この例のようにお母さんだと、自分も子供の悩みの当事者である可能性があるので、表面上、第三者であり、子供の悩みに利害関係のない、あるいは無関心なものとして振る舞う必要があります。それって、なかなか難しいですよね。

セバさん、お久しぶりです。そうなんですよね。当事者だとやはり感情を抑えるのが難しいと思います。このケースだってもしお母さんがせっせとパートしてなんとか工面した合宿費用だったら…カーッときて当然ですよね。でも何かで読んだんですが、このような問題解決的コミュニケーションをマスターするのには15年かかるんだそうです。(マスターした頃は子供ももう成人してる?苦笑)

ベトナムの日本語教師です。

「日本人はもともと感情を言葉にしない人種…」って、確かにそう思います。「口にすると安っぽく聞こえる」なんてセリフが共感を呼ぶぐらいですからね。難しいものです。

コメントありがとうございます! 日本で「愛してる?」とか尋ねようものなら「聞かないとわからないのか、ばかっ!」って感じですよね(笑)。言わなくてもわかるだろう、っていうのが根本にあります。でもやはり言われなきゃわからない時だってあるのでは…又は言ってもらわないと確信できない時もあるのでは…と思います。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
http://intercultural.blog17.fc2.com/tb.php/215-fc02b34a