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平(たいら)和(かず)

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体の障害、心の障害

去年の六月頃"Quiet Achiever"であるM君について書いたと思う。彼があんまり勉強に自信がなさそうだというのは最初から感じていたが、毎週休むことなく通い続けたM君は、「日本語の勉強を通して何かを学んでいる」のが手に取るようにわかった。そして年末のスピーキングテストで教室で二人きりになった時、彼はこう言った。「先生、僕さ、ちょっと脳みそに欠陥があるんだよ。医学的な欠陥っていうか…暗記とかさ、ダメなんだ。だけど…うーん、その一部は…その欠陥の一部は…僕自身なんだけど…。」こう聞いて私は彼がこの一年でいかに多くのことを学び、いかに上達したか、そしてそれは彼の努力の賜物であり、欠陥など影響していないはずだと言ってみた。それで彼がどの程度納得したかはわからないが、今年も勉強を続けてくれることを願っている。

とにかくここ数年、なんらかの障害を持った学生が増えているように思う。去年は自閉症のC君に一年中振り回されてしまったが、彼のように誰が見てもはっきりわかる障害はまだいい。M君のように見えない障害があり、その上このようにコースの終わりになって知らされたり、または知らされないままだったりすると、正しく学生を評価したり、又は与えるべきサポートを与えられないこともある。M君と同じクラスに中年の男性がいて、私が当てる度に手が小刻みに震えているので随分アガる性格なんだな、と思っていたのだが、ひらがなの宿題を提出してもらったら、字もブルブル震えていた。が、彼は最後まで自分の症状について打ち明けてくることはなかった。

他にも今まで車椅子の学生(毎回彼女も黒板まで来て書けるよう机や椅子を大移動)や視力障害のある学生(拡大したワークブックを特別にコピー)、脊髄の病気で座ることができず激痛の発作がある学生(一番後ろに立ったまま受講、痛みに伏していても数分で回復するので授業を中断しないでくれと言われた)、等々色々な状況に対応してきた。このような学生達のガッツを見ると、中年太りで記憶力低下に悩む自分がいかに幸運かを実感するのである。

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