根回しは思いやり?
年末に、同僚と上司と私三人だけの小さなミーティングがあった。同僚も上司もオーストラリア人。今年(つまり去年)の問題点などを話し合ったのだが、一年生を担当している同僚に「一年生には漢字の教科書を買わせているのに二年生になってからは買っていないクラスメートが多い、という話を聞いた。一年生には二年生になってからも使うから、と言って買わせているのにこれでは困る!」とかなりきつい口調で言われ、内心驚いた。と言うのはこのミーティングの前にも彼女とは何度も話す機会があったのに、その時はこのような苦情を仄めかすこともなかったからだ。何も上司の前で、しかもこんな態度で言うことないのに…。
生徒に漢字の本の購入を強制していないのは私なりに理由がある。まず、値段。メインの教科書さえ渋って買わない学生が多いのに、漢字の本までは強制が難しい。一年生には「二年使えるから」と言えばいいのだろうが、私の場合「半年、または一年」になってしまうので説得力も弱い。(半年で一応区切りなので前半しか申し込まない学生もいる。)第二に、私も学生時代は、貧困で教科書などほとんど図書館から借りていたクチなので、求職中の学生達が買えない状況がよくわかりつい同情してしまう。本当にお金がなくて買えない、と言われたらそれ以上は何もできないのが現実だ。第三に、私はこの漢字の本があまり好きでない。いい本だと思っていないので、買え、と言えない。(が、これは同僚が非常に気に入っている本で、私がここで教え始める前にもう決まっていたので仕方がなかった。)
このように私なりの言い分はあったのだが、彼女のクレームがあまりに唐突だったので、私も理路整然と反論できずに終わってしまった。
そこで、考えた。もし彼女がミーティング前に、もっと友好的な態度で、「ねえ、漢字の本のことなんだけど…」と少しでも仄めかしていてくれたなら、私ももう少し冷静に対応できただろうに…。つまり、「根回し」。「根回し」と言うと生徒の中には何か悪いことを共謀するようなイメージを持つ人もいるようだが、今回の件で根回しというのはちょっとした優しさ、思いやりなのではないかと思った。
しかしおかしなことに同じミーティングで、上司が言った。「今年は、落第になって苦情を言ってくる生徒が数人いたので、来年からは落ちそうな生徒には事前に警告するようにして下さい。急に落第となるとそのショックが怒りに変わってクレームになるようだから…。」これもある意味根回しのようなものだな、と思ってしまった。私の場合、落とした学生は既に自分のレベルの低さをわかっていたようだったので何も言わなかったのだが、それでもやはりクレームをつけてきたということは、「もしかしたら受かるかも」と思っていたのかもしれない。今年からは「あなた、このままでは100%落ちますよ。」ときっぱり言ってやろう(笑)。
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このように私なりの言い分はあったのだが、彼女のクレームがあまりに唐突だったので、私も理路整然と反論できずに終わってしまった。
そこで、考えた。もし彼女がミーティング前に、もっと友好的な態度で、「ねえ、漢字の本のことなんだけど…」と少しでも仄めかしていてくれたなら、私ももう少し冷静に対応できただろうに…。つまり、「根回し」。「根回し」と言うと生徒の中には何か悪いことを共謀するようなイメージを持つ人もいるようだが、今回の件で根回しというのはちょっとした優しさ、思いやりなのではないかと思った。
しかしおかしなことに同じミーティングで、上司が言った。「今年は、落第になって苦情を言ってくる生徒が数人いたので、来年からは落ちそうな生徒には事前に警告するようにして下さい。急に落第となるとそのショックが怒りに変わってクレームになるようだから…。」これもある意味根回しのようなものだな、と思ってしまった。私の場合、落とした学生は既に自分のレベルの低さをわかっていたようだったので何も言わなかったのだが、それでもやはりクレームをつけてきたということは、「もしかしたら受かるかも」と思っていたのかもしれない。今年からは「あなた、このままでは100%落ちますよ。」ときっぱり言ってやろう(笑)。
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