チリ人の「おじさん」生徒は結局プレゼの日に無断欠席。学期が終わってから呼び出して私の前でやるように言ったのだが全くできていない。説明しようにも家ではいつもスペイン語を話すらしく英語のコミュニケーションとなると発音がひどくて聞き取れない。とにかくコースに受かる為には試験やプレゼといったタスクをこなさなくてはいけない、というのが全くわかっていないのだ。でももう50代後半か60代で、経済的には大変ゆとりのある生活をしているらしい彼にとって日本語コースに受かることなど大した意味はないのだろう。そう思い、いい加減私も匙を投げた。
一方、コースに来た初日から私に「日本の会社での仕事」斡旋を頼んできたトルコ人の男性は、やはり欠席が多く平仮名、片仮名も全くマスターできないまま終わった。毎週彼が仮名を自習しているかチェックしていた。平仮名を指差し、「これは何?」「さ?」「違います。し。じゃ、これは?」「せ?」「違います。め。」…こんな調子。そう、「惜しい」と言えるような間違え方ではないのだ。それでも「家で勉強している」と言い張る。話すのと聞くのには大層自信を持っていたが、リスニングでもけっこうボロボロ間違えていた。プレゼも即興でやった感じで下書きはトルコ語でしてあるので提出してもらっても意味がなかった。この人も私は匙を投げた。愛嬌があり憎めないタイプではあるが…。
とにかく上記三人に振り回された学期だった。どうしてこんなことになってしまったのだろう。その原因は色々あると思うが、その一つはやはり「初心者は一年生」「それ以外は二年生」に仕分けてしまうシステムにあると思った。この三人は皆確かに初心者ではなかった。が、三人ともかなりのハンディキャップを背負っており、とても授業時間内に一人の教師が、残りの生徒達に教えながら対応していけるような学生達ではなかった。
やや打診したところ、幸い彼らが戻ってくる可能性は低いようだ。来年から私は教科書を変え、全く新しいコースを作るつもりでいる。まだ半月残っているが、ティーチングに関しては「2006年よ、さようなら」…そういう気分の私なのだ。
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