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平(たいら)和(かず)

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再会

昨日ず〜っと昔に教えたSさんという女性に再会した。そのいきさつがちょっと面白かった。私が推薦状を書いて日本で英語を教える仕事を得た学生が、日本から、翻訳の話があるとメールしてきたのだ。私は翻訳は全く興味がないので断ろうとしたが、ふと昔教えたSさんを思い出したのだ。彼女とは何年も会っていなかったが、翻訳を中心に自宅でビジネスをしていることは知っていた。電話帳にも必ず語学学校の欄に出ていたので、毎年「ああ、まだやってるんだ。」と思っていた。

この翻訳の仕事、彼女なら適役ではないか、と思い切ってメールを出してみた。五日ほど経って(ここがオーストラリア?)返事を貰った。メールにはその仕事に関心があると書いてあり、久しぶりに会うことになったのだ。「和さん?」近寄ってきた彼女は飾り気ない感じで昔と全く変わっておらず、気さくな笑顔が懐かしかった。幸い会った喫茶店はガラガラで、静かな空間でゆっくりと話すことが出来た。息子さん達がもう大学生であること(私が教えていた頃はちびっ子だった)、息子と日本へ行ったこと、ずっと翻訳や日本人ビジネスマンへの英会話教授などを続けてきたことなどすべて日本語で話してくれた。前から上手な人だったが一段と自然な話し方を身につけているような気がした。そしてプレゼントに自分で書き出版したという絵本を二冊くれた。バイリンガルの絵本で、話はオーストラリア色の濃いものだ。彼女がストーリーを書き、日本人の友達が翻訳を手伝い、もう一人が絵を描いたのだそうだ。こんな才能もある人だったのか。しかしこのような本を売るのはなかなか難しいということだった。豪州に住んでいる駐在員の子供や、日本で英語を習っている子供なら喜んで読みそうに思えるのだが…。

二時間ほど話して私は仕事に、彼女はジムに、と別れた。来週からニュージーランドにハイキングに行くから体を鍛えておくのだそうだ。秋には、高校で一緒にフランス語を習っていた友達と「約束通り」五十歳記念にフランスに旅行するのだという。落ち着いて、じっくりと焦ることなく進んでいく彼女を見ていて見習いたい気持ちになった私だった。



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