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平(たいら)和(かず)

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言いたくなること教えてよ

日本語に限らないが、外国語の学習者がその国に行って住むと飛躍的に上達する理由の一つは、「どうしても言いたい」「言わなきゃ」という状況に毎日さらされるからではないだろうか。だから教室でも、そんな感情を起こさせる教材を使うのが理想だと思う。本を手にした人に「これは本ですか。」と聞かれたって、言いたくなるのは「はい、そうです。それは本です。」よりも「あたりまえじゃん。何言ってんの?」ではないか。他にも「りんごとみかんと、どちらのほうが好きですか。」なんて、あんまり現実的な質問とは思えない。そんな質問をする人と心から、洒落た会話が楽しめるだろうか。しかしあまりにも多くの教科書で、「比較」といえばこんな例文が出ているから、新しく出版される教科書も皆「右へならえ」してしまっている感がある。

   その点、感情そのものを表すフレーズは、どのクラスでも何の工夫もせずに紹介するだけで馬鹿受けするのだ。「頭に来る」「冗談言わないでよ」「ほっといてくれよ」など、普段は不真面目な学生もわざわざノートに書きとめていたりする。若い学生だとすぐに「先生、日本語のswear words(ののしりの言葉)教えてよ。」と言ってくる。こうした「言ってみたい」気持ちをうまく利用した教材が欲しいな、とつくづく思う。