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平(たいら)和(かず)

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小さなミスが起こす異文化摩擦

数年前教えていたクラスに、日本人をよくホームステイさせる、という中年のオーストラリア人女性がいた。その時も彼女は、若い日本人男性をホームステイさせていた。時々「どうですか?うまくいってます?」と聞くと、頷いていたが、ある日ちょっとした
悩みを打ち明けてくれた。「彼は本当にいい子です。私はとても好き。ただちょっと気になるのはね、私が "Would you like some coffee?" って聞くと、ただ"Yes" とか "No" と言うことなの。小さなミスなんだけれど毎日なので、段々嫌になってきちゃって・・。」 
  
  日本語で「コーヒーはいかが?」と聞かれたら「はい」又は「いいえ」だけでも、謙虚な仕草が伴っていたら、それは失礼にはならないだろう。が、英語ではどんな小さな子供でも、必ず"Yes, please." "No, thank you." と言うように躾けられている。プリーズ又はサンキューが抜けると随分横柄に聞こえる。だから彼女はそれが英語のミスだと知っていながらも頭に来てしまうのだ。直すのも何か子供を諭すようで、言いそびれてしまうのだろう。それは成人に教えている私もよく経験するジレンマだ。

  小さなことだが、ちょっとした言葉遣いが人間関係に響いてくる。もし彼の英語の先生が、イエス/ノーの正しい言い方を教えておいたなら、これは避けられたことだろう。言葉を教える者としては、忘れてならないことだ。